浴槽交換は自分でできる?DIYの甘い考えとリスク
最近のDIYブームで、家の様々な部分を自分で修理したり、リフォームしたりする方が増えています。しかし、水回りの工事、特に浴槽の交換をDIYで行うのは、極めてリスクが高く、専門家として絶対にお勧めできません。その理由を具体的にご説明します。まず、浴槽は非常に重いという物理的な問題があります。素材にもよりますが、浴槽本体の重量は数十キログラムにも及びます。これを一人や素人二人で、狭い浴室から運び出し、新しいものを搬入するのは非常に困難で、壁や床を傷つけたり、腰を痛めたりする怪我のリスクが非常に高いです。次に、専門的な工具と技術が必要である点です。古い浴槽の撤去には、電動工具などが必要になる場合がありますし、新しい浴槽を水平に設置するには、精密なレベル調整が求められます。そして、最も重大なリスクが、給排水管の接続です。この接続に少しでも不備があると、必ず水漏れが発生します。最初は気づかないほどの僅かな漏れでも、時間をかけて床下や壁の内部を腐食させ、階下の部屋にまで被害を及ぼす大惨事につながりかねません。そうなった場合、修理費用は当初の工事費の何倍にも膨れ上がってしまいます。プロの業者は、長年の経験と知識に基づき、これらの作業を安全かつ確実に行います。また、万が一のトラブルに備えた賠償責任保険にも加入しています。費用を節約したいという気持ちは分かりますが、浴槽交換はDIYの範疇を完全に超えた専門工事です。安全と安心、そして確実な仕上がりを求めるなら、迷わずプロの業者に依頼することが、結果的に最も賢明でコストパフォーマンスの高い選択なのです。