一軒家に住み始めて十年が経過した頃、脱衣所の床がわずかに沈むような違和感を覚えたことがすべての始まりでした。最初は気のせいかと思いましたが、徐々に浴室から独特の湿気た臭いが漂うようになり、意を決して床下点検を依頼しました。専門業者が床下を覗き込むと、そこにはお風呂の排水管から漏れ出した水が溜まり、土台の木材が黒ずんで腐食しているという衝撃的な光景が広がっていました。床下での水漏れは自分では全く見えないため、これほどまで被害が広がっているとは想像もしていませんでした。見積もりを提示された際、その金額の高さに驚きました。単に水が漏れている場所を塞ぐだけでなく、腐ってしまった床下の基礎部分を補強し、湿気で繁殖したカビを除去するための費用が含まれていたからです。さらに、私たちの家は在来工法のタイル張りのお風呂だったため、床下の本格的な補修を行うには一度タイルを壊して解体しなければならず、最終的な費用は想像以上に膨らみました。工事期間中は自宅のお風呂が使えないため、近くの銭湯に通う日々が続きましたが、工事が進むにつれて住まいの安心感が取り戻されていくのを実感しました。床下の消毒が行われ、新しい強固な土台が据え付けられ、排水管も最新の樹脂製のものに交換されました。この経験を通じて痛感したのは、水漏れの兆候を軽視してはいけないということです。もし、水道代が少し上がった時点で点検を依頼していれば、あるいは床の軋みにすぐ反応していれば、これほどの高額な修理費用を払わずに済んだかもしれません。修理が終わった後、業者の方からは定期的なメンテナンスの重要性を詳しく教わりました。特に浴室のコーキングのひび割れやタイルの目地の欠けは、床下へ水が回る入り口になりやすいとのことでした。今では毎日の清掃の際に床や壁の隅々までチェックし、少しでも気になる点があればすぐに記録するようにしています。床下という見えない場所の健康状態が、家全体の寿命を左右するということを身をもって学び、その教訓をこれからの維持管理に活かしていこうと心に決めています。
浴室下の漏水を発見してから改修工事を終えるまでの実録