長年多くの住宅の水道トラブルを解決してきた現場の視点から言えば、お風呂の床下水漏れは最も厄介な問題の一つです。その最大の理由は、被害が表面化するまでに時間がかかるという点にあります。お客様から調査依頼をいただく際、多くの方は水道局からの指摘や、階下への漏水、あるいは浴室周辺の異変を感じて連絡をくださいます。しかし、その時点で床下を点検してみると、すでに広範囲にわたって水浸しになっていることが多々あります。修理費用を算出する際には、まずどこから水が漏れているのかを確認します。給水管の破損であれば水圧がかかっているため漏水量が多くなり、排水管であれば使用時のみ漏れるため発見がさらに遅れる傾向があります。配管自体の修理は比較的安価に行えることが多いのですが、床下という狭い空間での作業は工賃が高めになる傾向があります。さらに、浸水による建物へのダメージ評価が費用の鍵を握ります。コンクリートの基礎に水が溜まっているだけであれば洗浄と乾燥で済みますが、木造住宅で土台にまで水が染み込んでいる場合は、構造的な安全性を確保するための補強工事が不可欠となります。これにより、修理費用は数万円から一気に数十万円の単位へと跳ね上がります。専門家としてアドバイスしたいのは、お風呂場のリフォームを検討する際や、定期点検の機会を逃さないことです。特にタイル張りのお風呂からユニットバスへの変更は、床下の防水性を格段に高めるため、将来的な水漏れリスクを減らす有効な投資となります。また、万が一水漏れが発生した際、火災保険の「水濡れ」特約が適用されるケースがあることも知っておくべき知識です。給排水設備自体の修理代は対象外となることが多いですが、それによって汚損した床や壁の復旧費用がカバーされる可能性があります。保険会社への申請には写真や詳細な報告書が必要になるため、工事を依頼する業者にはあらかじめその旨を伝えておくとスムーズです。確かな技術を持つ業者選びと、費用の内訳を詳細に説明してくれる誠実な対応こそが、お風呂のトラブルを解決し、家の寿命を延ばすための第一歩となります。
水道修理の専門家に聞く浴室床下の浸水対策と費用計算