地中に埋設されている水道管の素材は多岐にわたり、それぞれ劣化の傾向や水漏れのリスク、そして修理費用にも違いがあります。自分の家の水道管の素材を知ることは、水漏れ対策を考える上で非常に重要です。かつて主流だった「鉛管」は、柔軟性があり施工しやすいという利点がありましたが、経年劣化により腐食しやすく、鉛成分が水に溶け出す可能性もあるため、近年では使用が制限され、順次交換が進められています。鉛管からの水漏れは、腐食によるピンホール(小さな穴)が原因で発生することが多く、部分補修が難しい場合は広範囲な交換が必要となり、費用も高額になる傾向があります。次に、一時期多く採用された「鋼管(鉄管)」は、丈夫で耐久性がありますが、錆による腐食が進みやすく、管の内側に錆こぶが形成されて水の流れが悪くなったり、錆こぶの成長に伴い管に穴が開いたりして水漏れが発生します。鋼管の修理は、錆の進行状況によっては管の交換が必要となり、掘削費用と合わせて高額になることがあります。現在最も広く使用されているのは「硬質ポリ塩化ビニル管(塩ビ管)」です。錆びる心配がなく、軽量で施工が容易なためコストも抑えられますが、紫外線や衝撃、熱に弱く、経年により硬化してひび割れや破損が生じることがあります。また、接続部のゴムパッキンの劣化による水漏れも多いです。塩ビ管の修理費用は、他の金属管に比べて比較的抑えられることが多いですが、破損箇所によってはやはり掘削費用が発生します。さらに、近年では耐久性や耐食性に優れた「ポリエチレン管」も普及しています。これらの素材ごとの特性を理解することで、水漏れ発生時の原因特定が早まり、適切な修理方法を選択しやすくなります。ご自宅の水道管の素材が不明な場合は、建物の設計図を確認するか、専門業者に相談して診断してもらいましょう。素材に応じた対策と計画的なメンテナンスが、地中水漏れによる高額な修理費用を防ぐ鍵となります。